HIVに感染した患者の約90%は何等かの皮膚疾患を発症します。そうした皮膚疾患の中からわりと身近なものを取り上げてみました。

HIVに感染しなくても発症が珍しくない皮膚疾患ばかりですが、それだけにHIV感染の可能性がある行為に思い当たるあなたはご用心下さい。感染初期の兆候を見逃してしまいがちです。


今回の記事の情報源は『皮膚からみたHIV感染症』(2007年)です。ちょっと古い記事かも知れませんが現在もなお有効な情報だと思います。

⇒補足資料①

私が調べたことを甥っ子の陽介に話しますのであなたもいっしょにお聞き下さい。

(甥っ子陽介)おじさん、今日はどんなお話しですか?
陽介
(私)陽介、HIV感染と皮膚疾患の話だよ。
私

(陽介)HIVと皮膚疾患のお話しなら、『HIV感染症と脂漏性皮膚炎』『体に発疹が出たらHIV感染かも? 』のお話しがありましたね。他にも帯状疱疹や口腔カンジダのお話しもありましたね。

(私)そうだったね。今日はもう少し追加で話てみようかなと思ってね。この4つを追加で説明してあげよう。

●乾皮症

●紅斑丘疹型発疹

●好酸球性毛包炎

●アフタ性口内炎

(陽介)ふ~ん、あまり聞いたことのない病名ですね。でも乾皮症は字から推測出来ますね。乾燥肌みたいなものですか?

(私)皮膚の表面がガサガサ荒れたり、白い粉をふいたようになったり、ひび割れができて痛みやかゆみが発生するんだよ。私が調べたところ、HIV感染者に非常に多い。この乾皮症と湿疹が同時に出ることもあるね。

(陽介)そうなんですか。でも乾燥肌の体質の人ってけっこういますよね。それにお年寄りにも多いですね。

(私)そうだね。だから他の皮膚疾患もそうだけど、乾皮症だからってHIV感染症だってことしゃない。

(陽介)分かりました。紅斑丘疹型発疹は前に話してくれた『体に発疹が出たらHIV感染かも? 』のことですね。

(私)そうだね。実はこの紅斑丘疹型発疹はHIV感染の急性期に何かの症状が出た人の約75%にみられるそうだ。つまり、急性HIV感染症の症状としては非常に多いと言える。

(陽介)そうなんですか。要注意ですね。好酸球性毛包炎ってどんな病気ですか?

(私)まず好酸球って言うのは白血球の中の顆粒球の一種なんだよ。免疫機能もあるし、アレルギー反応の制御も行っている。そして毛包と言うのは毛穴の中にあって髪の毛や体毛が生えてくる細胞を包み込んだ組織だよ。

好酸球性毛包炎とはこの毛包に好酸球が集まってくることで激しいかゆみが出る病気だ。元々は顔面に発症することが多いんだけど、HIV感染者の場合には顔面以外に手足、腹、背中などにも発症することがある。

この好酸球性毛包炎はHIV感染初期と言うより免疫不全の進行と共に現れることが多いそうだ。

(陽介)なるほど。紅斑丘疹型発疹はHIV感染の初期で、好酸球性毛包炎はずっと後で出てくる訳ですね。

(私)そう言うことだね。最後にアフタ性口内炎だ。

(陽介)聞いたことのない病名ですね。

(私)アフタ性口内炎は歯茎、ほほの内側、舌や唇、上あごなど口の中のいたるところに5mmから6mm以下の大きさの潰瘍が出来る病気だ。

口の中を自分で噛んで傷を作ったりするとそこから細菌が入って発症する。普通の健康状態だと1週間から2週間ほどで自然治癒する。

しかし、HIV感染のように免疫力が低下した状態では特別な傷がなくても発症し、2週間過ぎてもなかなか治らない。このアフタ性口内炎からHIV感染が見つかる例も多いので、1週間以上症状が続くようなら病院へ行って診察してもらった方がいいね。

(陽介)そうですか。それじゃアフタ性口内炎も特別HIVに感染したから発症する訳ではなく、感染してなくても発症するんですね。

(私)そうだよ。細菌感染や免疫力低下が原因だからHIVだけが原因とは限らないしね。他の皮膚疾患も全てHIV感染特有な症状じゃない。もう何度も言ってきたけどHIV感染は症状から判断できないよ。

そして『皮膚からみたHIV感染症』と言う論文に今説明したことが詳しく書かれているんだけど、その論文の最後はこう締めくくっている。

『今後診療の場では皮膚疾症状からHIV感染を見逃さないよう常に念頭におくことが大事である。』

これってつまり、現状では皮膚科の医師が全てHIV感染まで念頭において診察しているとは限らないってことだよね。

(陽介)そうですね。わざわざ論文の最後で指摘しているってことは出来てないんでしょうね。

(私)一般の皮膚科、特に地方都市の皮膚科だとHIV感染者を診察する機会はほとんどないと思うしね。HIVを念頭に置くといっても難しいのかも知れないね。

(陽介)でも、まさかの万一ってありますよね。

(私)だから、これも私がいつも言ってるように自分でHIV感染への心当たりがあれば皮膚科の先生から言われなくてもHIV検査を受けるべきだね。

(陽介)何しろHIV感染者の90%は何かしらの皮膚疾患を発症するんですもんね。

(私)そうだよ。皮膚疾患、イコールHIV感染ではないけどだからといって無関心、無視は危険だと思うね。全く感染の心当たりがなければ別だけど、1回でも心当たりがあって何かの皮膚疾患が出たらHIV検査を受けて欲しいね。

(陽介)はい。分かりました。

(私)それじゃ今日の話はこれでお終いだよ。

(陽介)おじさん、ありがとうございました。

■関連記事:この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。

『体に発疹が出たらHIV感染かも?』

『これって、HIV感染症の初期症状かな?』

アイコンボタン「まさか自分が・・・」 エイズ発症前にHIV検査。
バナー4

自宅で保健所や病院と同等の信頼性
タイプJ ・HIV検査専用です。(男女共通)
・私はたったの10分で終わりました。

¥4,600+消費税
矢印STDチェッカー タイプJ
重複感染は単独よりずっと危ない!
タイプO ・HIV
・梅毒
・B型肝炎
(男女共通
・重複感染の検査
¥7,750+消費税
矢印STDチェッカー タイプO
一番人気! 5種類を同時に検査
タイプEバナー3 ・HIV
・梅毒
・B型肝炎
・クラミジア
・淋菌
¥9,200+消費税
矢印タイプE 男性はこちらから

矢印タイプE 女性はこちらから






___________________________

補足資料

①『皮膚からみたHIV感染症』

東京都立駒込病院(エイズ医療中核拠点病院)の赤城久美子氏による論文です。同書の中に「HIVに感染した患者の約90%は何等かの皮膚疾患を発症します。」との記述があります。

一方、『体に発疹が出たらHIV感染かも?』で紹介した「Visual Dermatology」(秀潤社)という医療冊子の「HIV感染に伴う皮膚疾患」という特集記事でも「HIV感染者の90%に皮膚疾患」と言う記述がありました。

■本文に戻る