HIV感染症の初期に出る症状として、口腔(こうくう)カンジダ症があります。

これはHIV感染による免疫低下で常在菌であるカンジダ・アルビカンスが増殖するために発症するものです。

では口腔カンジダ症とはどんなものか、そしてもしもこれを発症したらどうすればいいのか、甥っ子の陽介に説明するのであなたもいっしょに聞いてください。

(甥っ子陽介)おじさん、口腔カンジダ症ってどんな病気なんですか?HIVとどんな関係があるんですか?
陽介
(私)陽介、それは免疫力が落ちてきたときに出てくる病気だよ。
私

(陽介)免疫力が落ちたとき?

(私)そうだよ。だから普通に健康で元気なときには縁のない病気なんだよ。

(陽介)でも、どこからか感染して病気になるんでしょう?

(私)カンジダ症の原因となる病原菌はカンジダ・アルビカンスという真菌、つまりカビの一種なんだよ。

(陽介)あちゃー!カビですか。気持ち悪いですね。

(私)そんなこと言ったってカンジダ・アルビカンスは常在菌で、私たち健康な人間にも住み着いているんだよ。

(陽介)え!それじゃ、僕やおじさんにもカンジダ菌は住み着いてるんですか!

(私)その可能性アリだね。

(陽介)それって何だかすごく気持ち悪いですね。

(私)そんなこと言うけどね、人間の体って常在菌だらけなんだよ。微細だから陽介の目に見えないだけだ。「人体常在菌の話」(集英社新書)によれば、

●大腸などの消化管には何と100兆個の常在菌

●口の中には100億個の常在菌

●皮膚には1兆個の常在菌

こんなにいるらしい。⇒補足資料①

(陽介)うわー!そんなに多いんですか!

(私)ずっと前にこんなテレビCMがあったね。⇒補足資料②

『キスをすると、1秒間に2億個の細菌が口の中を行き来する。』

これってホントだよ。何しろ口の中は100億個の常在菌がいるんだからね。

(陽介)はぁ・・・何だか幻滅ですね。彼女とキスするとき思い出しそう・・・

(私)アハハハ!こりゃ悪かったね。でもそれが現実だからね。

常在菌

(陽介)気を取り直して・・・それでおじさん、口腔カンジダ症ってどんな症状が出るんですか?

(私)うん。文字通り口の中でカンジダ菌が増殖して白い苔(こけ)みたいなのがいっぱい出来るんだ。ちょっと写真を見てもらおうかな。

『口腔カンジダ症の写真①』『口腔カンジダ症の写真②』

こんな感じだね。

(陽介)うわ~・・・けっこうきついものがありますね。

(私)さっきも言ったけどカンジダ菌は常在菌で健康な人にも住み着いている。「Visual Dermatology」(秀潤社)という本によれば、健康な人の約26%の口腔粘膜にカンジダ・アルビ カンスが見つかったと言うデータもあるんだよ。

(陽介)4人に1人ですか。それじゃちっとも珍しくない菌ですね。

(私)そうだね。それで健康な人でも免疫力が落ちてくると口腔粘膜のカンジダが増殖し、口の中や喉の 粘膜、舌や唇などに白い苔(こけ)状のものが散在して現れてくる。さっきの写真みたいにね。

そしてこれを放置しているとどんどん拡大し、口の中が広範囲に渡って白い苔で覆われてしまうんだ。

(陽介)はぁ・・・それからどうなるんですか?

(私)この白い苔は最初は簡単に剥離するんだけど、口の内部の粘膜はただれて炎症を起こし、出血 しやすくなる。そして段々と白い苔は離れなくなっていくんだよ。

(陽介)うわ~、口の中がそんなになったら大変ですね。それって治るんですか?

(私)もちろん治療で治るよ。カンジダ・アルビカンスは真菌(カビの一種)なので抗真菌剤を使うんだ。症状によって使う薬は違うけど、塗り薬、飲み薬、あとは点滴注射の場合もあるよ。

(陽介)その薬を使うとすぐに治るんですか?

(私)もちろん症状や患者による差はあるけど、重症でなければ1ヶ月以内に自覚症状が消えるよ。

(陽介)そうなんですか。でも、口腔カンジダは免疫力が低下したときに出てくる病気だって言いましたよね。具体的にはどんなときに発症するんですか?

(私)そうだね。一般的に言われているのはこんな場合だよ。

●風邪や過労、睡眠不足などの体調不良

●精神的なストレス

●ステロイドホルモン剤の使用
膠原病や花粉症、喘息などの疾患でステロイドホルモン剤を使用すると免疫機能を抑制する働きがあり、カンジダを発症することがある。(アレルギー症の原因が免疫機能の過剰反応で起きる場合、免疫機能を抑制する薬を使う)

●抗生物質の使用
何かの病気で抗生物質を使用すると、カンジダと競合している常在菌が死んでしまい、バランス が崩れてカンジダ菌が増えてしまう。

こんな感じだね。

(陽介)なるほど。抗生物質やステロイド剤も原因になるんですね。何かの病気を治療しているときは要注意ですね。

(私)そうだね。そして忘れてはいけないのがHIV感染による免疫低下だよ。

(陽介)HIV感染による口腔カンジダって多いんですか?

(私)そう、多いよ。HIVの感染初期から見られる症状なんだよ。おじさんが見た医療サイトでは、HIV感染者の1割程度に初期症状として口腔カンジダが出るって書いてあった。

口腔カンジダ説明

(陽介)そうなんですか。でもおじさん、口腔カンジダはHIV感染以外の原因でも発症するから、必ずしもHIV感染とは結びつきませんよね?

(私)そうだよ。例えば帯状疱疹とか脂漏性皮膚炎とか、そんな皮膚疾患と同じだね。要するに免疫力、抵抗力が落ちたときに発症する日和見感染症だからHIV以外の原因でも免疫力が落ちれば可能性があるんだ。

(陽介)それじゃ、もしも僕が口腔カンジダを発症したときはどうすればいいんですか?

(私)まずは病院へいくことだね。口腔カンジダの診察や治療は口腔外科、耳鼻咽喉科、感染症に対応してくれる総合内科に行けばいいよ。

(陽介)普通の歯医者じゃダメですか?

(私)うーん、歯の治療しかしてくれない可能性があるね。

(陽介)それからHIV感染の可能性をどう考えればいいですか?

(私)うん。さっきも説明したけど口腔カンジダ症は免疫力低下によって起きる病気だからHIVに感染しなくても発症するケースは多い。その一方でHIV感染の初期症状では1割程度が発症する。だから必要以上に神経質になることもないけど全く無関心でいるのも危ない。

(陽介)はぁ・・結局、どうすればいいんですか?

(私)多少なりともHIV感染に身に覚えがあればHIV検査を受けることだね。保健所に行けば無料・匿名で検査してくれるからね。

(陽介)あ~やっぱりHIV検査ですね。他に方法はないんですね。

(私)そうだよ。これはもういつも言ってるけどHIVに感染したかどうかは検査する以外に絶対に調べる方法がない。HIV感染特有の口腔カンジダなんてない。見分けはつかないんだよ。

(陽介)分かりました。急性HIV感染症の症状もそうだったし、帯状疱疹や脂漏性皮膚炎などの皮膚疾患もそうでしたね。

(私)そうだよ。そして絶対に忘れてはいけないのがHIV感染は早期発見によってエイズの発症を防ぐことが出来るってことだね。

(陽介)つまり、口腔カンジダはHIV感染のサインかも知れないから見落とすなってことですね。

(私)そうだよ。HIV検査を受けるきっかけとして考えてもらいたいね。例え口腔カンジダの診察をしてくれた医者がHIV検査を勧めなかったとしても、自分で少しでも不安や心当たりがあれば保健所に行って欲しいね。

(陽介)おじさん、よく分かりました。ありがとうございました。

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補足資料

①「人体常在菌のはなし」(集英社)による。

②『豆しば』CM 動画サイトで見れます。