HIV検査を病院で受ける場合、健康保険は使えるのでしょうか?すでに多くのHIV関連サイトで取り上げられていますが、あなたはこんな情報もご存知ですか?

平成24年(2012年)から診療報酬が変わっています。知っておくといざという時に役にたつかも知れません。私が調べたことを甥っ子の陽介に説明します。あなたも最後までお付き合いください。

(甥っ子陽介)おじさん、HIV検査って病院では健康保険が使えるんですか? (私)陽介、それは患者の状態と医師の判断によって使えたり、使えなかったりするんだよ。
陽介 私

(陽介)そうなんですか。それではどんな時に健康保険が使えて、どんな時が使えないんですか?

(私)HIV検査に限らないんだけど、一般には医師が病気の治療に必要だと判断した検査は健康保険が適用になるし、そうでないと判断した検査は保険の適用外だね。

(陽介)そうなんですか。具体的にはどんな感じですか?

(私)HIV検査の場合を例にしてみようか。例えば陽介がニューモシスチス肺炎とカポジ肉腫を併発したとするね。

(陽介)うわぁ~最悪ですね。

(私)まぁ、仮の話だから。この場合、陽介を診た医師は当然のごとくHIV検査を行うはずだ。この場合は当然保険適用となる。なぜなら病気がHIV感染と関係ありと疑われ、HIV検査は治療には必要だからね。

(陽介)なるほど。

(私)しかし、陽介が何も自覚症状がなくて、他の性感染症にも感染がなく、単にHIVが心配だから検査したいと思って病院に行った場合は保険適用にならない。なぜならこの場合は病気の治療ではないからね。

(陽介)治療に必要な検査じゃないからですね。

(私)そうだ。実際には厚生労働省から次のような通達が出されてる。

『間質性肺炎等後天性免疫不全症候群の疾病と鑑別が難しい疾病が認められる場合やHIVの感染に関連しやすい性感染症が認められる場合、既往がある場合又は疑われる場合でHIV感染症を疑う場合は、本検査を算定できる。』

保医発0305 第1 号(平成24 年3 月5 日)⇒補足資料①

(陽介)何だか難しい表現ですね。よく分からないんですけど。

(私)間質性肺炎というのは、息切れ、咳、痰、などが出る気管支炎や咳喘息と似た症状の肺炎だよ。この病気がHIV感染による症状と判別が難しい場合には保険適用でHIV検査が出来るということだね。むろん、間質性肺炎に限らず、例えば間質性肺炎ということだ。他の病気、症状でも判別にHIV検査が必要だと医師が判断すれば保険適用になる。

(陽介)なるほど。治療の一環としてHIV検査が必要だと判断されれば保険適用になる訳ですね。

(私)そうだね。それからHIV感染症以外の性感染症、例えば梅毒やクラミジア、淋菌などに感染していることが分かればこの場合もHIV検査が保険適用となるんだ。

(陽介)え?それはどうしてですか?

(私)今までに陽介に教えたことがあると思うけど、梅毒、クラミジア、淋菌に感染していると健康な人の何倍、何十倍もHIVに感染するリスクが高くなるんだよ。覚えてるかい?

(陽介)あ~、そうでした!クラミジアや梅毒で炎症を起こしたり、潰瘍(かいよう)が出来るとそこからHIVが感染しやすくなるんでしたね。

(私)そうだよ。だからそれらの性感染症に感染している場合にはHIV検査が強く推奨される訳だね。何しろ同じ感染ルートだし、健康な人より感染リスクが高くなってる訳だから。

(陽介)HIV感染症を疑うような自覚症状が出てなくても保険適用になるんですか?

(私)そうだよ。実は以前は自覚症状が出ている場合に限って保険適用だった。(保医発第0306001 号)しかし、平成12年から自覚症状がなくても保険が使えるようになったんだ。より多くの人にHIV検査を受けてもらうことが早期発見につながるからね。⇒補足資料②

(陽介)なるほどです。それから既往がある場合のことも書かれていますね?

(私)そうだね。例えば、梅毒に感染した人が治療を受けて梅毒は完治したとする。だけどその後にHIV感染症を疑わせる症状が出たとする。この場合は梅毒に感染していた間にHIVにも感染した可能性がある訳だね。だから現在梅毒に感染してなくても、過去に梅毒感染の既往があれば健康保険の適用でHIV検査が受けられる。

(陽介)なるほど。この場合も自覚症状がなくてもいいんですか?

(私)そうだね、保医発第0 3 0 6 0 0 1 号には、「HIV感染症を疑う場合」と書かれているから、医師が何かしら疑う根拠は必要かも知れない。

(陽介)あ~、そういうことですか。単に過去に性感染症の感染履歴があるだけじゃダメなんですね。

(私)うん、何かHIV感染症を疑う材料が必要だってことだね。

(陽介)分かりました。ではおじさん、これ以外にHIV検査が保険適用になる場合ってありますか?

(私)そうだね、例えばスクリーニング検査で陽性となって、確認検査受ける場合。この場合は確認検査が保険適用になるよ。

(陽介)なるほどです。そしてスクリーニング検査については今おじさんが説明してくれた通りってことですね?

(私)うん、何かしら理由があって医師がHIV検査が必要だと判断した場合は保険適用になるし、そうでなければ適用外だね。

(陽介)分かりました。

(私)それじゃ陽介、最後に今日の話をまとめてくれ。

(陽介)はい、分かりました。単にHIV感染が不安だから検査を受ける場合は健康保険が使えません。でも他の性感染症に感染している場合や、HIV感染を疑う症状が出ている場合などはHIV検査が健康保険の適用になります。

(私)そういうことだね。実際にHIV感染を疑うケースについては担当医に相談してもらいたいね。

(陽介)場合によっては病院、医師によって判断が違うかも知れませんね。

(私)うーん、そうだなぁ。もしかしたらあるかも知れない。では今回はこれまで。

(陽介)おじさん、ありがとうございました。

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補足資料

①保医発0 3 0 5 第1 号

②保医発第0 3 0 6 0 0 1 号