「HIV検査は危険行為から3ヶ月経過して受ける。」

きっとあなたもこんな注意書きを見たことがあるでしょう。保健所のHIV検査でも病院のHIV検査でも、あるいは自宅で使えるHIV検査キットでもこう書いてあります。

しかし中には、「本当に3ヶ月も待って大丈夫?手遅れにならない?」そう心配する人もいます。今回はこの疑問に対して私の調べたことを甥っ子の陽介に話します。ぜひあなたもいっしょに聞いて下さい。

(甥っ子陽介)おじさん、HIV検査を3ヶ月待ってる間に手遅れになったりする心配はないですか? (私)陽介、それは大丈夫だけど、別の心配から3ヶ月待たない方がいい場合もあるよ。
陽介 私

(陽介)この前ネットの相談サイトで見たんですけど、HIV検査を3ヶ月待って手遅れになりませんかって言う書き込みがありました。

(私)つまり、3ヶ月待ってる間にHIV感染症が進行してエイズになったりしないかという心配だね?

(陽介)そうです。何やら色んな症状が出てるみたいなんです。微熱が続くとか、リンパ節が痛いとか。

(私)HIV抗体検査を危険行為から3ヶ月待つ、その最大の理由は3ヶ月未満でHIV検査を受けても信頼性が乏しいからだよ。仮に陰性判定が出ても本当はHIVに感染しているかも知れない。だから3ヶ月待つように注意されるんだね。

(陽介)そして実際には仮にHIVに感染してても3ヶ月でエイズを発症するなんてあり得ませんよね?

(私)そうだね。いくら近年HIV感染からエイズ発症までの潜伏期間が短くなっているとはいえ、わずか3ヶ月間で発症することはないよ。

(陽介)結局、3ヶ月待たないと正確な検査は出来ないし、3ヶ月待ってもそれでエイズを発症することはない。だから3ヶ月後にHIV検査を受けなさい、と言うことですね。

(私)そうだね。どうしても3ヶ月待てない人はNAT検査を受けるか、取りあえず1ヶ月以上経ってHIV検査を受け、3ヶ月過ぎたら再検査を受けることだね。

(陽介)それも前に『どうしてもHIV検査を早く受けたいときは?』というお話の時に教えてもらいましたね。

(私)そうだったね。でも、最初に言ったけど別の意味で3ヶ月待たずに早くHIV検査を受けた方がいい場合もあるんだよ。

(陽介)え~!そうなんですか?それはいったいどんな場合なんですか?

(私)3ヶ月より前にすでに危険行為があって、なおかつHIV感染を疑う症状が出ている場合だよ。この意味分かるかい?

(陽介)あ~・・・何となく。つまり、最期の危険行為からは3ヶ月経ってないけど、それ以前にすでにHIVに感染したかも知れない行為があった場合ですね?

(私)その通りだよ。どうせならHIV検査を1回で済ませたいからと、3ヶ月待つのはいいけど、その時点ですでに何からの異常、自覚症状が出ている場合はすぐにHIV検査を受けた方がいい。

(陽介)でもおじさん、HIV感染は自覚症状からは分からないんでしょう?

(私)そうだよ。HIV感染は検査を受けてみるしか判定方法はない。でもね、HIVに感染した人がエイズを発症する前に多くみられる症状というのはあるんだよ。

(陽介)それは、『これってHIVの初期症状かな?』って話で教えてもらった急性HIV感染症のことですか?

(私)いいや、そうじゃないよ。急性HIV感染症はだいたい感染して2週間から6週間後くらいに出てくる。だから正確な検査を受けようと思えばやはり3ヶ月待ってから検査を受けた方がいい。また、すぐにエイズ発症の心配もない。

(陽介)それじゃさっきおじさんが言った症状が出たらHIV検査を受けた方がいいのはどんな場合ですか?

(私)それはHIV感染の危険行為から何年もして、こんな症状が出た場合だよ。

●口腔内カンジダ症(口の中のカンジダ)

●帯状疱疹(繰り返し・若年者)

●脂漏性皮膚炎(重症例・難治例)

●乾癬(難治例)

●原因不明で長期に続く発熱

●原因不明で長期に続く下痢

●原因不明の急激な体重減

●著しい寝汗

(補足資料①参照)

こうした症状はHIVに感染してエイズを発症する前に多くみられる症状なんだよ。むろん、HIVに感染していなくても別の理由でも多くみられる。だから必ずHIVに感染しているという訳じゃない。

(陽介)確かにこんな症状が出たら、HIV感染じゃなくてもちゃんと病院で診てもらった方がいいですよね。別の重い病気かも知れないし。

(私)そうだね。そして何年か前に遡ってHIVに感染したかも知れない行為に心当たりがあるなら、なるべく早くHIV検査を受けた方がいい。例え最後の危険行為から3ヶ月経過してなくてもね。

(陽介)それはどうしてですか?

(私)もしもHIVに感染していたら、すでに免疫低下が進行し、エイズ指標疾患と言われる日和見感染症のリスクが高まっているからだよ。こんな状況の時に3ヶ月も待ってると危ない。

(陽介)と言うことは、直近3ヶ月に危険行為があろうとなかろうと、過去に心当たりがあってさっきみたいな症状が出たら早くHIV検査を受けた方がいい訳ですね。

(私)その通り。もっと言えば、過去に思い当たる危険行為があるなら、例え症状が何もなくてもHIV検査を受けた方がいいね。症状が出てからより治療の効果が高い場合もある。

(陽介)なるほど、そこに行きつく訳ですね。

(私)それじゃ陽介、今日の話をまとめてごらん。

(陽介)はい、おじさん。HIV感染の危険行為が直近3ヶ月以内だけなら、3ヶ月を待ってHIV検査を受けるのがベスト。それより前に危険行為があった場合は、例え最後の危険行為から3ヶ月経っていなくてもHIV検査を受けた方がいい場合もある。こういうことですね。

(私)その通り。そして最後の危険行為から3ヶ月経ってないHIV検査で陰性判定が出た場合は、必ず3ヶ月過ぎてから再検査が必要だね。

(陽介)そこまでやって安心できる訳ですね。

(私)そうだね。

(陽介)分かりました。最初の疑問に戻ると、HIV検査は危険行為から3ヶ月過ぎて検査を受ける、その間にエイズ発症のリスクはないと言うことですね。

(私)その通りだよ。では今回の話はこれまで。

(陽介)おじさん、ありがとうございました。

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補足資料

①「HIV感染症 診療マネジメント」(医薬ジャーナル社)などによる。