現在の日本にはHIV感染者、エイズ患者は累計でどのくらいいるのでしょうか。厚生労働省エイズ動向委員会のデータからあなたにもご紹介しましょう。

近年メディアで取り上げられることが少なくなったエイズですが、決してHIV感染症やエイズが遠い病気になった訳ではありません。私が調べたことを甥っ子の陽介に説明しますので、あなたもごいっしょにお聞き下さい。

(甥っ子陽介)おじさん、HIV感染者やエイズ患者の累計って、どのくらいなんですか? (私)陽介、それはエイズ動向委員会のデータを見ると分かるよ。最新データを教えてあげよう。
陽介 私

(陽介)時々おじさんに年間のHIV感染者やエイズ患者のデータを教えてもらうじゃないですか。でも、そうした年間データだけじゃなくて、過去からの累計ではどんな数字なんだろうって思うんです。

(私)そうだね。1年間や四半期ごとのデータはこれまでも陽介に話してきたけど、過去からの累計データで話たことはなかったな。

(陽介)はい。ぜひ累計データを教えて下さい。

(私)ではさっそくデータを説明しよう。2015年8月11日に厚生労働省エイズ動向委員会から2014年(平成26年)のエイズ動向が発表になってる。速報値じゃなくて、確定値、正式版だね。そのデータが最新になる。

(陽介)はい。累計のスタートは何年ですか?

(私)うん、エイズ動向委員会のデータは1985年スタートになってるね。

(陽介)1985年・・・・。30年前ですね。当時の状況はどうだったんでしょうか。

(私)実は1985年に日本人のエイズ患者が初めて認定されたんだよ。その前後も含めて分かりやすくまとめた年表があるから見てごらん。

『ひと目でわかるエイズ年表』(姉妹サイトHIV検査完全ガイドにリンク)

(陽介)それでは今日おじさんが教えてくれる累計データは1985年~2014年ということですね。

(私)その通りだよ。では数字を見てみよう。

【1985年~2014年】

●新規HIV感染者の報告累計件数 16,903件

●新規エイズ患者の報告累計件数  7,658件

●合計 24,561件

(陽介)う~ん、予想はしてましたがやはり2万人は突破してるんですね。

(私)そうだよ。2012年早々に2万人を突破して現在はもう2万5千件を超えてる。ではもっと分かりやすいようグラフにしたので見てごらん。

●新規HIV感染者の報告累計件数 

HIV感染者累計
グラフ1.新規HIV感染者報告累計件数

●新規エイズ患者の報告累計件数

エイズ患者累計
グラフ2.新規エイズ患者報告累計件数

どうだい?陽介はこの2つのグラフを見て気付くことがあるかい?

(陽介)え~っと・・・。気付くことですか・・・?新規HIV感染者も新規エイズ患者も累計が増え続けてるってことですかね。

(私)まぁ累計だから当然発生がゼロにならない限り前年よりグラフは伸びていくよね。

(陽介)はい。

(私)問題はグラフの伸び方だよ。新規HIV感染者の累計も新規エイズ患者の累計も、どちらのグラフも伸び方が似てると思わないか?

(陽介)あ~、なるほど。言われてみればそうですね。2つのグラフ共にほぼ直線的に伸びていってます。

(私)と言うことは?どういうことだい?

(陽介)う~んと・・・。毎年同じ件数ずつ増えてるってことですか?

(私)その通り!全く同じ件数ではないけど、ほぼ同じような件数で発生している。だから累計グラフにすると直線的に伸びていく。これがもしも発生件数が年々減少してたらどうなる?

(陽介)はい、グラフにすると直線的に伸びていくんじゃなくて、ゆるやかなカーブになります。

(私)そうだね。もしも発生が限りなくゼロに近づけばグラフは横ばいとなるね。

(陽介)なるほど。この2つのグラフが意味するところは、現在もなおHIV感染者、エイズ患者は減少傾向にはないと言うことですね。

(私)うん、多少の増減はあるけど、ほぼ同じペースで報告されているね。

(陽介)でもおじさん、HIV感染者の報告件数はHIV検査で見つかった件数であって潜在的なHIV感染者の人数は分かりませんよね。

(私)そうだね。あくまでもHIV検査の結果感染がわかって報告された件数だね。HIVに感染しているのに検査を受けず、自分でも気づいてない人はいったいどのくらいいるのか、それは分からない。

(陽介)もしかして報告件数の何倍も多かったりしますか?

(私)もちろん潜在的なHIV感染者の実数は分からない。だけど、HIVに感染したままの状態を放置していれば数年後にはほぼ確実にエイズを発症することになる。この時点ではエイズ患者として全数報告されるから実数が分かる。

(陽介)そうですね。すると今の累計グラフの伸び方からすると、エイズ患者が爆発的に増加している訳でもないので、潜在的なHIV感染者がものすごい数いるってこともない訳ですね?

(私)そうだね。少なくともデータからはそう言えると思うよ。後は献血で見つかるHIV感染者の件数かな。これも1つの指標になるね。

(陽介)献血ですか?

(私)そうだよ、年間に500万件くらいの献血があって、その全数を精度の高いNAT検査にかけてる。ここで見つかるHIV感染者の件数はある程度潜在的なHIV感染者を反映していると思うよ。何しろ500万件だからね。

献血HIV正式版

(陽介)なるほど。もしも潜在的なHIV感染者が爆発的に増えているなら、献血でもっとHIV感染者が見つかってると言うことですね。

(私)まぁ100%そう言い切れるかどうか、私も断言は出来ないけどそう思っていいんじゃないか。エイズ動向委員会の岩本委員長が少し前にそんなコメント出してるのを読んだ記憶もあるよ。

(陽介)でもおじさん、こうしてHIV感染者の累計が増えていくってことは、僕たちがHIVに感染するリスクも増えていくってことですか?

(私)いや、そうとは言えないと思うよ。HIV感染が分かれば当然抗HIV治療が行われる。これによって体内のHIVは検出限界まで抑えられる。つまり、感染力が弱くなるんだね。

(陽介)なるほど。HIV感染者と一口に言っても、治療を受けてる場合にはウイルス量は少ないんですね。

(私)そうだよ。それに自分でHIV感染が分かっていれば二次感染にも注意するだろうしね。一番怖いのはHIV検査を受けず、自分がHIVに感染してることに気付かないケースだよ。

(陽介)そうか。本人はエイズ発症の危険が大きくなるし、二次感染も発生する可能性がある訳ですね。

(私)そうだよ。だからエイズ動向委員会の岩本委員長はいつもコメントの中で、

「早期のHIV検査は本人にとってはエイズ発症を抑え、社会全体としてはHIV感染のリスクを小さくする」

と指摘されてるね。

(陽介)なるほどそうですね。

(私)では今回の話はこの辺にしようか。最後にもう一度数字を見ておこう。

【1985年~2014年】

●新規HIV感染者の報告累計件数 16,903件

●新規エイズ患者の報告累計件数  7,658件

●合計 24,561件

(陽介)はい。分かりました。おじさんどうもありがとうございました。

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