厚生労働省エイズ動向委員会から発表された最新エイズ事情を甥っ子の陽介に話します。ぜひ、あなたもごいっしょに聞いてください!

(甥っ子陽介)おじさん、最近気になるエイズのニュースを見つけたんですけど・・・ (私)ほう、どんなニュースだい?話してみてごらん。
陽介 私

(陽介)実はつい最近、週刊誌で見つけた記事なんですけどね、中高年のエイズ患者が増えているっていうニュースなんです。

(私)ふーん・・・

(陽介)エイズってなんとなく若者の間で感染が広まっているイメージがあって、中高年にエイズ患者が増えているのは意外な気がしました。

(私)ふーん・・・

(陽介)同時に、なぜ中高年にエイズ患者が増えているのか、その理由が知りたいなと思いました。

(私)ふーん・・・

(陽介)何ですかおじさん!さっきから「ふーん・・・」ばっかりで。僕の話を聞いてくれてます?

(私)ああ聞いているよ。だけどね、陽介。そう言う話なら、もうずい分前に陽介に話してあげたろう?忘れたのかい?

(陽介)「えーーー!」そんな話ありましたか?

(私)やっぱり忘れてるな。『エイズは高齢者が危ない』 という話だよ。

(陽介)・・・あ~!そ、そう言えば・・・・

(私)思い出したかい?

(陽介)おじさん、すみません!確かに以前、そんなお話を聞かせてもらいましたね。

(私)その話をしたのは、厚生労働省エイズ動向委員会が今年の2月に2012年のエイズ動向を発表して、その内容をおじさんが見て感じたことを陽介に話したんだよ。

(陽介)そうでしたね。

(私)ところが、8月の終りになって今年(2013年)の第2四半期、つまり4月1日から6月30日までの3ヶ月間のエイズ動向が発表になった。

(陽介)そうなんですか。

(私)その内容がまた、中高年のエイズ患者増加という傾向がよりいっそう出てたんだ。

(陽介)はは~ん、なるほど、なるほど。

(私)それで9月以降、いろんなメディアで中高年にエイズ患者が増えている、という記事が載るようになったんだ。

(陽介)それじゃ僕の見た週刊誌もその流れで記事の掲載をしたって訳ですね。

(私)そうだろうね。でも週刊誌のくせに発表から丸1ヶ月も経って記事にするってちょっと遅い気もするね。

(陽介)でも、おじさん中高年にエイズ患者が増えているって、どの程度増えているんですか?

(私)そうだね。それじゃまず、以前にも陽介に話したけど2012年の状況をおさらいしておこう。新規HIV感染者と新規エイズ患者の年代別分布はこんな感じだった。

平成24年エイズ動向
グラフ1.平成24年エイズ動向

50歳以上の全体に占める割合は以下の通り。

●新規HIV感染者 11.5%

●新規エイズ患者 30%

平成24年の時点ですでに50歳以上の中高年にエイズ患者全体の30%が存在しているんだ。

(陽介)そうでしたね。『エイズは高齢者が危ない』 という話で教えてもらいました。

(私)そして次が最新のデータだよ。平成25年の8月30日に厚生労働省エイズ動向委員会から発表されたデータだ。

平成25年第2四半期のエイズ動向
グラフ2.平成25年第2四半期(4月~6月)エイズ動向

どうだい?この最新データ。

50歳以上の全体に占める割合は以下の通り。

●新規HIV感染者 14%

●新規エイズ患者 40%

(陽介)うわ~!これってホントですか!

(私)むろん、本当だとも。

(陽介)だって、新規エイズ患者は50歳以上に最も多く分布してるじゃないですか!40%って、マジですか!

(私)そうだね。新規エイズ患者はこれまでも50歳以上に多く分布していたけど、平成25年の第2四半期は強烈にその傾向が強まったと言えるね。

(陽介)うーん・・・こりゃ週刊誌も取り上げるはずですね。

(私)グラフ1、グラフ2で注目して欲しいのは、高齢者になるほどHIV感染者における「いきなりエイズ」発症者の割合が多いってことだ。

(陽介)え?「いきなりエイズ」の割合が多い?どういうことですか?

(私)つまり、新規HIV感染者として報告された人の中で、すでにエイズを発症していた人の割合だよ。

(陽介)えーっと・・・もう少し分かりやすく説明してもらえますか?

(私)いいよ。まず、HIVに感染したと言う点では、新規エイズ患者も当然HIVに感染しているよね。

(陽介)それはそうですね。エイズを発症する前にHIVに感染しています。

(私)つまり、エイズを発症しているかどうかを別にするとHIVに感染した人の総数は、

●HIVに感染者した人数=(新規HIV感染者)+(新規エイズ患者)

となる訳だよ。

そして、その中ですでにエイズを発症していた人、すなわち「いきなりエイズ」の割合は、

●いきなりエイズ=(新規エイズ患者)/(新規HIV感染者+新規エイズ患者)

という計算式になるね。

(陽介)なるほど。そうですね。

(私)それで実際の数値を入れて計算してみると、

●30代のいきなりエイズ=22%

●50歳以上のいきなりエイズ=58%

こうなるね。

(陽介)うわ!数字にすると余計に驚きですね。

50歳以上の場合、HIVに感染したとして報告された人の6割近くがすでにエイズを発症していたことになりますね。

(私)そうなんだよ。これって、何を意味しているか陽介にも分かるよね?

(陽介)はい、おじさん。今までにおじさんにHIVとエイズのことを教えてもらったので、この数字に意味は分かります。つまり50歳以上はHIV検査を受ける人の割合が少なく、HIV感染に気付いたときにはすでにエイズを発症していた、ということです。

(私)その通りだよ。これも以前に話した通りで、高齢者になるほど「自分だけは大丈夫」だと思っている人が多く、HIV感染に対する危機感が薄い。だから感染予防もしないし、HIV検査も受けない。

(陽介)その結果、「いきなりエイズ」の発症件数も、割合も、どちらも大きな数字となっている訳ですね。おじさんの友達なんかはどうですか?

(私)そうだね。確かにHIV検査を受けたと言う友人の話を聞いたことがない。やはり中高年はHIV感染に対する感度が鈍いかも。

ちなみにおじさんが調べた限りでは専門家もそう言っている。

●国立病院機構大阪医療センターの白阪琢磨HIV/AIDS先端医療開発センター長

●世田谷井上病院・井上毅一理事長

(リンクが切れていたらごめんなさい。お早目にお読みください)

こんな感じだね。

(陽介)うーん・・・そうですか。やっぱりHIVやエイズの情報ってネット経由がメインなので、どうしても中高年には情報が届きにくいんでしょうか。

(私)それもあるかも知れないね。今後はこうした中高年に対するHIV感染予防の啓蒙が重要になってくるかも知れないね。

(陽介)そうですね。

(私)最後にもう一つ大事な情報を付け加えておくよ。厚生労働省エイズ動向委員会が発表した2013年第2四半期(4月~6月)のエイズ動向では、新規エイズ患者が146人となっている。

これは四半期ベースでは過去最多の新規エイズ患者の報告件数なんだ。

(陽介)そうなんですか。

(私)何回も言うけど、新規エイズ患者はエイズを発症する前にHIV検査を受けていれば、エイズを未然に防げた可能性が高い。とても残念なことだね。

(陽介)そうですよね。HIVは感染してもエイズ発症まで自覚症状が出ないことが多いからHIV検査を受けるしか感染を確認する方法がないですもんね。

(私)陽介の言う通りだ。自覚症状のあり、なしよりもHIV感染の心当たり、不安があればHIV検査を受けることだね。保健所に行けば無料で匿名なんだから。

(陽介)分かりました。

(私)では今回のお話はこれでお終い。

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