新規HIV感染者、新規エイズ患者のデータを、日本人/外国人、男女別、年代別、感染ルート別に分けて調べてみました。

ちょっと意外なデータも見つかったので、それを甥っ子の陽介に教えたいと思います。ぜひあなたも一緒に聞いて下さい。

(甥っ子陽介)おじさん、今日のお話しはどんなことですか? (私)陽介、今日はねちょっと意外なデータを見せてあげるよ。
陽介 私

(陽介)意外なデータですか?それは何ですか?

(私)まぁまぁ、順番に話すからちょっと待ちなさい。今日用意したのはね厚生労働省エイズ動向委員会が発表した平成26年(2014年)のエイズ動向のデータなんだよ。

(陽介)え?それって前に教えてもらいましたよね?

(私)いや、今回はデータを別の角度から見直してみたんだよ。そこで意外なデータが見つかったんだ。

(陽介)そうなんですか。別の角度って何ですか?

(私)陽介も知ってると思うけど、日本ではHIVに感染した人を、「まだエイズを発症していない人」、「すでにエイズを発症した人」、の2通りに分けて集計している。

(陽介)はい、今まで何度も出てきたので知っています。新規HIV感染者と、新規エイズ患者って言う分類ですね。

(私)そうだね。新規エイズ患者も当然HIVに感染している訳だけど、すでにエイズを発症していることでエイズ患者として分けて集計している。今回私は更に細かく仕訳してデータを作ってみたんだよ。

(陽介)もっと細かくですか?

(私)そうだよ。まず、男女別、日本人と外国人、更に年代別、そして感染ルート別に、それぞれ新規HIV感染者、新規エイズ患者がどのくらいいたか集計してみた。

(陽介)へぇ~、それはまた細かい分け方ですね。

(私)そうだね。でもエイズ動向委員会のデータがすでにそうした分け方で出てるので、簡単に編集出来たよ。そして、それぞれの分類ですでにエイズを発症していた人、つまり「いきなりエイズ」だった人の割合も出してみた。

(陽介)そうなんですか。その中から意外なデータが見つかった訳ですね?

(私)そうだよ。それじゃ順番にデータを見てもらおうかな。

(陽介)はい、お願いします。

◇男女別・日本人/外国人別の集計データ

(私)それじゃ、まずは全体、男女別、日本人/外国人別に集計した結果を見てもらおう。こんな感じだよ。

分類 HIV感染者 エイズ患者 いきなりエイズ
全体 1,091 455 29.4%
1,041 435 29.5%
50 20 28.6%

日本人

959 409 29.9%
35 13 27.1%

外国人

82 26 24.1%
15 7 31.8%

表1.男女別・国別の集計データ

これを見ると、いきなりエイズの割合はほぼどの分類も同じくらいだね。約30%って感じだ。

(陽介)そうですね。前におじさんに教えてもらいましたけど、全体ではこの10年間はずっと30%前後でしたよね。⇒補足資料①

◇年代別データ

(私)そうだね。それじゃ次に、年代別のデータを見てもらおうかな。まずは日本人のデータからだよ。

分類 HIV感染者 エイズ患者 いきなりエイズ
 

 

 

 

 

 

日本人

10歳未満

1 0 0.0%
0 0  ー

10代

14 1 6.7%
1 1 50.0%

20代

304 44 12.6%
10 0 0.0%

30代

316 122 27.9%
6 1 14.3%

40代

211 135 39.0%
9 6 40.0%

50代

62 67 51.9%
6 2 25.0%

60代以上

51 40 44.0%
3 3 50.0%

表2.日本人の年代別データ

こんな感じだね。パッと見て分かるかい?

(陽介)う~ん、ちょっと見ただけでは何がどうなっているのか分からないですね。

(私)そう言うと思ったよ。この表はグラフも作ったので見てごらん。

日本人性別年代別いきなりエイズ
グラフ1.日本人の年代別データ

年代別でかつ男女別に、新規HIV感染者と新規エイズ患者の件数、それに「いきなりエイズ」の割合をグラフにしたものだよ。

注目して欲しいのは男性の40代、50代、60代以上の「いきなりエイズ」だ。日本人の全体平均は約30%で、この世代はそれを大きく上回ってるよね。赤丸で数字を囲んでるところだよ。

(陽介)なるほどそうですね。中高年のHIV感染者に「いきなりエイズ」が多い訳ですね。それは以前にも教えてもらいましたよね。

(私)そうだったね。私が思うに、中高年に「いきなりエイズ」が多い理由は2つあると思う。1つは中高年ほどHIV検査を受けない。早期にHIV感染が分かれば薬でエイズ発症を抑えることも出来るからね。

もう1つの理由はエイズの長い潜伏期間によってHIV感染者ピークの30代が40代になってエイズを発症するんだと思う。

(陽介)そうですね。30代の「いきなりエイズ」は全体の平均より下ですもんね。やはり中高年の方がHIV検査を受けていないんでしょうね。

(私)はっきりしたデータがある訳じゃないので私の推測だけどね。でもそうした指摘をする医療サイトは多数あるから、そんな的外れな推測ではないと思うよ。

それじゃ次に国内でHIVに感染した外国人のデータを見てもらおう。

分類 HIV感染者 エイズ患者 いきなりエイズ

 

 

 

 

 

 

外国人

10歳未満

0 0  -
0 1 100.0%

10代

1 1 50.0%
0 0  -

20代

29 4 12.1%
6 1 14.3%

30代

22 11 33.3%
3 1 25.0%

40代

19 6 24.0%
4 4 50.0%

50代

9 3 25.0%
2 0 0.0%

60代以上

2 1 33.3%
0 0  -

表3.外国人の年代別データ

外国人のデータは件数が少ないのでグラフは作ってないよ。全体としての「いきなりエイズ」の割合は25.4%で日本人より低い。もしかしたら、外国人の方がHIV検査を受けているのかも知れないね。日本人のデータとは母数が違い過ぎるので比較は難しいけどね。

(陽介)はい。分かりました。

◇感染ルート別データ

(私)では最後に、感染ルート別のデータを見てもらおう。実はここに意外なデータが見つかったんだよ。

(陽介)え!そうなんですか。いったい何ですか、意外なデータって?

(私)まずはこの表を見てもらおう。日本人の感染ルート別のデータだよ。注目して欲しいのは「いきなりエイズ」の割合だ。

分類 HIV感染者 エイズ患者 いきなりエイズ
 

 

日本人

異性間の
性的接触
126 99 44.0%
32 6 15.8%
同性間の
性的接触
736 248 25.2%
0 0  ー

静注薬物使用

3 4 57.1%
0 0  ー

母子感染

1 0 0.0%
0 0  ー

その他

20 7 25.9%
0 2 100.0%

表4.日本人の感染ルート別データ

表の中で赤字になってる数字を見てごらん。

(陽介)え~っと、異性間の性的接触でHIVに感染した男性の「いきなりエイズ」の割合が44%で、同性間の性的接触で感染した男性は25.2%ですね。

ふ~ん、これは意外ですね。前からおじさんにHIV感染の最大感染ルートは男性同士の性的接触だって教えてもらってたので、てっきり「いきなりエイズ」の割合も一番多いかと思ってました。

(私)実は私もそう思ってたんだよ。でも事実は違うね。確かに男性同士の性的接触によるHIV感染は全体の63.3%を占めている。断トツに多い。でも、「いきなりエイズ」の割合で言えば全体平均以下だね。

(陽介)それに比べて異性間の性的接触による男性の「いきなりエイズ」の割合は全体平均よりかなり高いですね。

(私)そうなんだよ。これは私の勝手な想像なんだけど、男性同士で性的接触を持つ人はそれなりに感染リスクを承知していて、早期にHIV検査を受けているんじゃないかな。

(陽介)それに比べて異性間の性的接触を持つ人は、「まさか自分がエイズなんて」と思ってるんでしょうか。

(私)う~ん、「いきなりエイズ」の割合の多さから見るとそんな感じだよね。

(陽介)今のデータは日本人でしたよね。外国人の場合はどうなんですか?

(私)うん、この表5を見てごらん。

分類 HIV感染者 エイズ患者 いきなりエイズ
 

 

外国人

異性間の
性的接触
11 11 50.0%
10 4 28.6%
同性間の
性的接触
53 10 15.9%
0 0

静注薬物使用

0 0  ー
0 0  ー

母子感染

0 0  ー
0 1 100.0%

その他

4 2 33.3%
0 0  ー

表5.外国人の感染ルート別データ

どうだい?これが外国人の感染ルート別データだよ。

(陽介)う~ん、日本人の場合と同じですね。、異性間の性的接触でHIVに感染した男性の「いきなりエイズ」の割合が50%で、同性間の性的接触で感染した男性は15.9%です。やはり同性間の性的接触の方が「いきなりエイズ」の割合がずっと大きいです。

(私)そうだね。外国人の場合は母数が小さいけど、傾向としては日本人の場合と同じだよね。

(陽介)これは意外でした。

(私)日本では男性同士の性的接触によるHIV感染が多いことは色んなメディアで取り上げられて、かなり多くの人が感染リスクを知っている。一方、異性間の性的接触については相変わらず、「自分は大丈夫」とか、「まさかエイズなんて」と思ってる人が多いんだろうね。

(陽介)「いきなりエイズ」の割合が大きいってことは、HIV感染の可能性があるにもかかわらずHIV検査を受ける人が少ないってことですよね?

(私)そうだね。エイズを発症するまでHIV検査を受けなかったってことだからね。厚生労働省の集計では、いったんHIV感染者としてカウントされた人が後にエイズを発症してもエイズ患者としてはカウントしていない。それはHIV感染者の病変であって、新規エイズ患者と言うのは皆、「いきなりエイズ」を意味するからね。

(陽介)異性間の性的接触だからって油断しちゃいけないってことですね。むしろ「いきなりエイズ」の割合が多いんだから要注意ですね。

(私)そうだね。言い古された表現だけど、HIV感染は特別な人が、特別な場所で、特別なことをして起きるんじゃない。ごく普通に誰にでもHIV感染は起きるってことを忘れちゃいけない。

(陽介)分かりました。いつもおじさんが言ってるように、早期のHIV検査が大事ってことですね。

(私)最後の結論はそう言うことだよ。では、今日の話はこれで終わりだ。

(陽介)おじさん、ありがとうございました。

 

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補足資料

①「いきなりエイズ」とは?

通期いきなりエイズ