HIV対策に行政はいったい何をやってるんだ!」こんな怒りにも近いブログ記事を見つけました。

こういう怒りはちょっと違うんじゃないかと個人的には思っています。別に私は国や行政を援護する立場にはありませんが、事実は事実としてお伝えしたいと思います。

私の調べたことを甥っ子の陽介に話しますので、あなたもいっしょに聞いて下さい。一般的なHIV/エイズ情報としてお読み頂ければと思います。

(甥っ子陽介)おじさん、行政はHIV対策に大したことやってないのですか? (私)陽介、なぜそんなことを質問するんだい?行政はそれなりにHIV対策やっていると思うよ。
陽介 私

(陽介)実はですね、「行政は本気でHIV対策やっていない!」って怒ってるブログの記事を見つけたんですよ。行政がしっかりHIV感染対策しないから日本ではHIV感染者が増え続けてるんだって。

(私)ふむふむ。なるほどね。

(陽介)もっとHIV感染予防の啓蒙活動に本腰入れて、学校での性教育やテレビを始めとするメディアで注意を呼びかければHIV感染者は減るはずだって書いてありました。

(私)なるほど。日本の性教育については確かに課題はあると思うね。まともな性教育をやろうとすると一部のPTAなどから「返って無謀なセックスを煽ることになる」なんて反対が出るんだよね。

それにもともと日本ではセックスの話題を公に行うことをタブー視する土壌があったよね。

(陽介)そのブログによれば、行政がもっとHIV対策に本腰を入れなくてはならない理由として、

①セックスの低年齢化によってHIV感染者が若年層にも増えている。

②HIV検査を受けていない潜在的HIV感染者がどんどん増えてやがてパニックになる。

なんてことが書かれていました。だから一刻も早く行政として手を打たなければ手遅れになってしまうみたいな趣旨でした。

(私)う~ん、それはどうかな。前に「HIV感染者はどの世代に多い?」「HIV感染者は10倍も多い?」って話をしたよね。

データから見ると10代の若者にHIV感染者は増えていないし、潜在的HIV感染者が増加していることを裏付ける証拠は何もない。

(陽介)そうでしたね。それじゃおじさんは国や自治体のHIV対策は十分行われていると思いますか?

(私)十分かどうか判断するのは難しいな。その判断は専門家にお任せするとして、でも忘れてはいけないことが2つあると思うよ。

(陽介)忘れてはいけないことが2つ?何ですか?

(私)うん、1つは全国の保健所でやってる無料・匿名のHIV検査だよ。そしてもう1つはエイズ患者への治療費支援だ。まさにこの2つは行政がHIV対策として行っている。

(陽介)なるほど。確かにその2つは公的なお金が使われていますね。

(私)2015年に保健所などで無料・匿名のHIV検査を受けた件数は145,048件だった。これだけの検査を行うにはそれなりにお金や人材を必要とするよね。

何しろ無料で検査を受けられるから実際の費用がいくらかかっているのか分からない。でも、一般の病院でHIV検査を受ければ1件当たり5,000円~7,000円くらいする。(健康保険適用外の場合)

仮に5,000円で計算すると、全国の保健所で年間に7億2500万円かかったことになる。

(陽介)なるほど。全て公的な費用で行ってる訳ですね。

(私)まぁ、私に7億が十分な金額かどうか、高いかどうかは判断出来ないけどね。

(陽介)う~ん・・・

(私)それからエイズの治療費支援だ。今まで陽介に何度も話してきたように、今の医学ではHIV感染症の完治はまだ出来ないけどエイズ発症を防ぐことは出来るようになった。

その治療に使う抗HIV薬はとても高くて、治療が生涯に及ぶことから公的な支援が受けられる仕組みがある。患者さんの個別事情にもよるけど、実質の自己負担は2万円/月以下の人が多い。でも実際には20万円/月くらいの薬代が発生している。

(陽介)それは前に「いくらかかる?抗HIV医療費は高い?」って話で教えてくれましたね。

(私)そうだったね。仮に今のケースでどのくらいの公的費用が使われているか計算してみよう。患者さん1人当たりの支援が18万円/月だったとする。

そして、2015年末現在で国内の新規HIV感染者の累計は16,903人、新規エイズ患者の累計は7,658人、合計で24,561人になる。

この数字は累計だから実際に何人が抗HIV治療受けているのか正確には分からない。でも、仮に20,000人で計算してみるとね1年間に必要な治療費支援は、

20,000(人)×180,000(円)×12(ヶ月)=432億円/年

となる。むろん、これは仮定条件で計算しているから正確じゃない。しかし凡そのイメージとしてこんな規模のお金がかかっていることは分かる。

(陽介)なるほど・・・

(私)保健所のHIV検査もエイズ患者の支援も、本人の命を救うためと言う目的があるのは無論だけど他にHIV感染を防ぐという目的もある。社会全体でみたHIV感染防止策になっていると思うよ。

(陽介)HIV感染者から二次感染防止ってことですね。

(私)そうだよ。保健所のHIV検査でHIV陽性と分かれば当然二次感染防止になるよね。HIV陽性者が検査を受けずにいればどんどん感染が広まってしまう恐れがある。

(陽介)はい、その通りですね。

(私)そしてHIV陽性と分かった患者に対して抗HIV治療を行うことで患者さんの体内のウイルス量を検出限界まで減少させることが出来る。

それは患者さんのエイズ発症を防ぐことが目的だけど、同時に二次感染防止効果も果たすことになる。だってウイルス量が減れば感染力も弱くなるからね。

(陽介)なるほど、そうですね。そう考えると行政としてはHIV感染防止のためにかなりの予算を付けている訳ですね。

(私)そうだね。もしも抗HIV治療の支援が足りなくて治療を受けられない人が出てきたら、それは二次感染が心配だよね。ただ何度も言うけど、支援の金額が高いのか安いのか、それは分からないけどね。でも個人的にはかなりやってるんじゃないかと思うんだけどな。

(陽介)確かにおじさんのお話を聞くとお金を使ってるんだと分かりますけど、メディアを通して警告するってのは目にしませんね。以前はテレビでもHIV感染防止の啓蒙CM流してましたよね。

(私)そうだね。12月1日の世界エイズデー付近ではある程度目にするけどね。普通の時ってあまり目にしないね。

(陽介)やはりHIV感染症が致死的疾患ではなくなったせいですか?世間の関心も低くなってるって言われますよね。

(私)うん、その指摘はよく目にするね。確かにそう言う部分はあるだろうな。ただ、国も各自治体もHIV感染予防の啓蒙活動をやってない訳じゃない。

ネットで検索するとHIV感染予防の色んな取組が見つかるよ。ただしそれは検索して初めて見つかるものであって、テレビCMみたいに全く関心のない人に向けても情報発信してる訳じゃない。

(陽介)そうですね。

(私)それじゃ今日の話をまとめようか。まず、陽介から「行政はHIV感染防止に大したことはやってないのでは?」と言う問題提起があったね。それに対してはどうだった?

(陽介)はい。まず全国の保健所で無料・匿名のHIV検査を実施しています。次にエイズ患者に対して治療費の支援を行っています。どちらの施策もHIV感染防止に役立っています。

(私)そうだね。その一方で教育現場における性教育の問題、メディアを通しての啓蒙活動などは課題があると言えるかも知れない。ズバリ結論は出なかったけど、出来る範囲で答えたつもりだよ。

(陽介)はい、分かりました。ありがとうございました。

(私)それじゃ今日はこの辺でお終いだ。

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