あながもしもHIV感染者といっしょに暮らすことになったとして、一番心配なことは何ですか?もしかして血液感染ではありませんか?

1980年代、日本にエイズが上陸した後、長野県松本市や神戸市ではいわゆるエイズパニックが起きました。 今考えるとエイズパニックとは根拠のない差別と偏見の固まりだったのですが、それをもたらしたのは情報のなさ、知識のあやふやさでした。

まるでHIVが空気感染するかのごとく怖れ、HIV感染者が同じ空間にいることを拒絶しようとしたのです。

さすがに今現在、HIVが空気感染するなどと考えている人はいないでしょう。しかしHIV感染者やエイズ患者に対して全く差別や偏見がなくなったかと言えば、決してそうは言えないと思います。

◇あなたはHIV感染者と共に暮らせますか?

もしもあなたがHIV感染者と同じ屋根の下で暮らすことになったら、あなたはどうしますか?全く平気に暮らすことが出来ますか?もしかしたら自分にもHIVが感染するのではないかと、HIV感染者を拒否したりしませんか?

私はHIV感染者と共に暮らせると自分では思っています。それなりの知識や情報は持っているつもりです。でも、実際にHIV感染者と共に暮らす場面に遭遇したことがないので、本当のところはどうなのか分かりません。

たぶん、HIV感染症やエイズ患者に対してある程度の知識を持つ人が、最も怖れるものはHIVの血液感染だと思います。従って、HIV感染者と共に暮らすことの障害の1つは血液感染であると思います。

HIVは空気感染などしません。HIVの感染ルートは性行為感染、血液感染、母子感染、この3つです。そして、もしもHIV感染者と共に暮らすことになったとき、偶発的な感染のリスクがあるとしたら、それは血液感染が最も可能性が高いと思います。偶然に性行為感染や母子感染が発生する状況は普通に考えてあり得ません。

だから先程も書いたようにある程度HIV感染の知識を持つ人が心配するのは血液感染だと思います。

では、あなたがHIV感染者と共に暮らすことになったとき、血液感染を防ぐにはどんな点に注意すればいいのでしょうか?これを知っておくことがHIV感染者に対する差別や偏見をなくす第一歩だと思います。

◇HIVの血液感染を防ぐには?

私が色々な本や医療サイトで調べた限りでは次の2つのことをしっかり認識することが大事です。

●HIV感染者の血液に触れたからといってただちに感染することはない。健康な皮膚を通してHIVが感染することはない。

●HIVは非常に弱いウイルスであり、アルコール消毒で簡単に感染力を失う。

この2点です。

つまり何が言いたいかと言えばHIV感染者が出血したとしてもパニックになる必要は全くない、ということです。落ち着いて正しい手順で対処すれば血液感染の心配はないのです。

例えばHIV感染者の血液があなたの手や腕、足などに付着したとします。先ほども書きましたがあなたの皮膚をHIVが通過して感染することはありません。

落ち着いて水洗いをすればそれで感染することはまずありません。更にアルコール消毒すればより確実です。

また、衣類に血液が付着した場合もまず水で血液を洗い流して洗濯すれば大丈夫です。もしも大量の血液が付着したような場合であれば漂白剤に30分ほどつけてから洗濯します。

床や壁などに血液が付着した場合も血液をペーパータオルなどでふき取り、アルコール消毒液や漂白剤を使って更に拭いておけば安心です。

ただし、あなたの手や指に傷、炎症、ささくれなどがある場合はちょっと用心です。HIVは健康な皮膚からは感染しませんが、そうした傷などがあるとそこから侵入する可能性があります。従ってゴム手袋をしておけば安心です。

怪我や事故など、急な出血はいつ発生するか分かりません。普段からゴム手袋やアルコール消毒液、汚物を廃棄する厚手のポリ袋などは用意しておくといいですね。

◇血液感染防止の日常生活

先のHIV感染防止処置は突発的にHIV感染者が出血した場合の話です。これ以外に日常的に注意すべき点もあります。例えば、髭剃りや歯ブラシは別々にするといったことです。どちらも出血して血液が付着する可能性があるからです。

何度も書きましたがHIVは健康な皮膚からは感染しません。しかし、傷口や粘膜部からは感染します。この基本を覚えておく必要があります。

もっとも、これはHIVの感染予防に限りません。B型肝炎、C型肝炎などのウイルス性肝炎の予防も全く同じことが言えます。その他の感染症も同様です。

正確な知識と情報がHIV感染者やエイズ患者の差別や偏見をなくすことにつながります。血液感染についても必要以上に恐れることは何もありません。

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