赤ちゃんのHIV検査はどんな方法で行われるのでしょう?母子感染のリスクがある場合、どうやってHIV感染を確かめるのでしょう?

今回は赤ちゃんのHIV検査について私の調べたことを甥っ子の陽介に話したいと思います。一般知識としてあなたもぜひいっしょに聞いて下さい。

(甥っ子陽介)おじさん、赤ちゃんのHIV検査ってどうやるんですか? (私)陽介、それは何が知りたいのかな?
陽介 私

(陽介)あのですね、妊娠中にHIV感染が分かっていれば、母子感染なしに出産出来るんですよね?

(私)そうだよ。もしも何も治療せずに出産すると生まれてくる赤ちゃんにHIVが感染する確率は約20%~30%だと言われてる。(諸説あり)しかし、事前に治療して出産すれば感染確率は1%以下になるんだよ。

(陽介)前に「HIVの母子感染は?」って話で教えてくれましたよね。

(私)そうだったね。それで?

(陽介)そうやって治療を受けた母親から生まれてきた赤ちゃんがHIVに感染していないかどうか、きっと検査すると思うんですよ。

(私)そりゃそうだね。

(陽介)でもそのHIV検査は僕が保健所や病院で受けるHIV検査とは違う検査のような気がするんですね。だからおじさんに赤ちゃんのHIV検査ってどんな検査なのか教えてもらおうと思ったんです。

(私)なるほど。陽介の知りたい赤ちゃんのHIV検査は母親がHIVに感染していた場合の赤ちゃんだね。

(陽介)そうなんです。やっぱり、何か特別な検査方法なんですか?

(私)そうだね。それは私も以前に調べたことがあるよ。確かに私たちが保健所や病院で受けるHIV抗体検査とはちょっと違うね。

(陽介)やっぱり違うんですね。いったいどんな検査なんですか?

(私)この図を見てもらおうかな。

赤ちゃんのHIV検査
図1.赤ちゃんのHIV検査(HIV母子感染予防対策マニュアルから)

こんな感じで出産後48時間以内から生後18ヶ月まで、合計5回のHIV検査を受けるんだよ。⇒補足資料①

(陽介)へぇ~、そうなんですか。この1回目から4回目までのリアルタイムPCRによるHIV RNA定量検査って何ですか?

(私)これは血液中のHIV RNA量を測定する検査だよ。一般にはNAT検査と呼ばれている。⇒補足資料②

(陽介)僕たちが保健所でHIV検査を受ける時はHIV抗体検査ですよね。赤ちゃんの場合はなぜリアルタイムPCRなんですか?

(私)それはね、母親がHIVに感染していると生まれてきた赤ちゃんには移行抗体が存在するので抗体検査は使えないんだよ。⇒補足資料③

(陽介)あ~、そうなんですか。赤ちゃんがHIVに感染してなくてもお母さんからHIV抗体をもらっちゃうんですね。

(私)そう言うことだよ。だから生後18ヶ月になってから初めてHIV抗体検査が使えるんだよ。

(陽介)分かりました。それで5回も検査を行って、赤ちゃんがHIVに感染している、感染していないはどうやって判定するんですか?

(私)まず、HIVに感染していると判定される場合だ。検査時期の異なる2回の陽性判定が出た場合、HIVに感染していると判断されるんだよ。

(陽介)へぇ?2回ですか?と言うことは、1回だけ陽性になっても即HIV感染とは判定されないんですね?

(私)そう言うことになるね。私もそれがちょっと不思議なんだけど、「HIV母子感染予防対策マニュアル」にはそう書かれているね。

(陽介)僕たちが保健所や病院でHIV検査を受ける場合のスクリーニング検査と確認検査、って言う2回の意味合いとは違うんでしょうね。

(私)そう、違うと思うよ。「検査時期の異なる2回」って書かれてるからね。

(陽介)それじゃおじさん、赤ちゃんがHIVに感染していないと判定されるのはどんな場合ですか?

(私)これがまたちょっとややこしい。生後1ヶ月以降に行った2回以上のPCR検査が陰性ならほぼHIVには感染していないと判断出来る。ただし、そのうちの1回は生後4ヶ月以降じゃないとダメだ。

(陽介)ふ~ん、陰性判定も1回だけじゃダメなんですね。

(私)さっきのはほぼ大丈夫、って判断であって、HIV感染を完全に否定するにはもっと条件が必要なんだよ。

(陽介)え~!まだ他に必要なんですか?

(私)そうなんだよ。

●生後18ヶ月で低ガンマグロブリン血症がなく、

●HIV IgG抗体が陰性で、

●HIV感染による症候がなく、

●しかもPCR検査が陰性、

なら完全にHIV感染が否定出来る、と言う訳なんだよ。

(陽介)何だかさっぱり分かりませんね。まず、低ガンマグロブリン血症って何ですか?

(私)ガンマグロブリンとは血液中にあるタンパク質の一種で私たちの免疫に関与している。だからHIVに感染すると低ガンマグロブリン血症になって免疫力が低下するんだよ。ウイルスや細菌が感染したときに戦ってくれる抗体が正常に作れないんだ。

(陽介)はぁ、何となく分かったような、分からないような・・・。それじゃIgG抗体って何ですか?

(私)それは抗体の一種で、HIVに感染するとだいたい30日を過ぎた頃に現れる抗体だ。HIV抗体検査で見つける対象になってる。⇒補足資料④

(陽介)それじゃ図1の5回目に行うHIV抗体検査で分かるってことですね。

(私)そうだね。それまで何も症状が出てなくて、PCR検査が陰性でも、HIV抗体検査で陰性判定が出るまでは完全に安心出来ないってことかな。

(陽介)そうなんですか。なかなか赤ちゃんのHIV検査も大変ですね。

(私)そうだね。それに、検査が全て陰性ならいいけどもしも陽性判定が出たらその対処も大変だしね。そもそも完全に陰性と確定するまではHIVに感染している可能性もある訳で、赤ちゃんは生まれると同時に抗HIV治療を受けるんだよ。

(陽介)そうなんですか。確かに生まれてすぐは感染してるかどうか分かりませんもんね。

(私)検査以外のそうした治療の話を始めるともう、大変なので今回はこの辺で終わりにしよう。取りあえず赤ちゃんのHIV検査について分かったかい?

(陽介)そうですね。ぼんやり概要は分かったと思います。母親がHIVに感染していた場合、生まれてきた赤ちゃんは生後48時間以内の検査から始まって18ヶ月後まで5回のHIV検査があるんですね。それもリアルタイムPCRによるHIV RNA定量検査があるんですね。

(私)そうだったね。まぁ、マニュアルに書かれてる以外のケースもあると思うので医師が都度判断して検査もするんだと思うよ。あくまでガイドラインとしての話は今回話した通りだ。

(陽介)分かりました。おじさん、ありがとうございました。

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補足資料

①HIV母子感染予防対策マニュアル

②リアルタイムPCR 関内マリンクリニックに説明があります。

③「HIV感染症診療マネジメント」(医薬ジャーナル社)による

④HIVマーカーの出現期と推移(姉妹サイト HIV症状完全ガイド)