パイプカットした男性と交際している女性が、「HIV検査は必要ですか?」と相談しているのを見かけました。あなたはどう思いますか?

私が調べたことを甥っ子の陽介に話しますので、あなたもいっしょに聞いて下さい。

(甥っ子陽介)おじさん、パイプカットした男性からHIVが感染することもあるんですか? (私)陽介、意外な質問だね。そもそもパイプカットって、どんな手術か知ってるかい?
陽介 私

(陽介)う~ん、何となく分かってるつもりなんですけど、正確には知りません。ただ、男性が避妊目的で行う手術だってことは知っています。

(私)そうだね。でも、そのパイプカットとHIV検査がどう結びついたんだい?

(陽介)ネットの相談サイトで書き込みを見つけたんです。ある女性が、付き合ってる男性がパイプカットしてるのでいつもコンドームは使っていないらしんですね。それで、妊娠の心配はないけどHIVはどうなんだろうって不安になったみたいです。

(私)なるほどね。それで、その相談サイトではどんな回答が書き込まれていたんだい?

(陽介)はい、回答者は現役の医師なんですけど、パイプカットによる避妊とHIV感染は全く別ものだから、HIV感染が不安ならHIV検査を受けなさいって回答していました。

(私)なるほどね。その回答に陽介は納得できなかったのかい?

(陽介)いえ、医者が言ってるので間違いないと思うんですけど、なぜHIV検査が必要なのか、その理由がよく分からなくて。

(私)ふ~ん、それは結局、パイプカットがどんなものか十分分かっていないからだね。

(陽介)確かにそうですね。おじさん、そもそもパイプカットってどんな手術なんですか?

(私)そうだね。それじゃパイプカットについて説明しよう。さっき陽介が言ったように男性が行う避妊目的の手術だね。要するに精液の中に精子が入らないようにする手術なんだよ。精子がなければ絶対に妊娠出来ないからね。

(陽介)あ~!そうなんですか!精液そのものは出るってことですか?

(私)その通りだ。男性の精子は精巣(睾丸)で作られて、精管を通って射精管に入っていくんだよ。パイプカットという手術は、この精子の通り道である精管の途中で文字通り通り道をカットするんだ。だから射精はするけど、精子は含まれていない。

私が図を作ってみたんだけど、こんな感じだね。

パイプカット

(陽介)精子の通り道をカットするって、どうやるんですか?

(私)うん、まず陰嚢に3mmから5mmくらいの穴を開けるんだ。そして中から精管を引っ張り出して、10mmほどカットし、管の両端を電気メスなどでシールする。これでもう精巣(睾丸)で作られた精子が射精管に入り込むことがないので、射精しても精子がない。だから妊娠の心配もないって訳だね。

(陽介)なるほど・・・・。それじゃ、パイプカットの手術をしても、それまでと何が変わるかと言えば精液に精子が含まれていないだけで、後は何も変わらないんですね。

(私)その通りだよ。元々HIV感染のルートは、体液と粘膜の接触だったよね?男性がパイプカットをしても体液の一種である精液は何ら変わることなしに感染源になり得るよ。

(陽介)そうなんですね。だとすると、今回ネットで相談した女性も、交際相手の男性がパイプカットしたからHIV感染は安全、なんて言えない訳ですね。

(私)そう、全く言えない。妊娠する恐れがないから避妊目的でのコンドームは不要だけど、HIVを始めとする性感染症の予防にはやはりコンドームが必要だね。

(陽介)なるほど。それじゃこの相談者の女性もHIV検査は必要だってことですね。

(私)そういうことになるね。相手の男性がHIVに感染していないことがハッキリ分かっていればまた話は別だけどね。少なくともパイプカットを理由にHIV検査は不要とは言えないね。むろん、HIVだけじゃない、他の性感染症も全く同じだからね。

(陽介)はい。分かりました。

(私)では、今日の話はこれでお終いだ。

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