HIVに感染した人の多くは何らかの皮膚疾患を発症すると言われています。
いったいどんな皮膚疾患が出るのでしょうか。
原因不明の発疹や帯状疱疹はHIV感染のサインでしょうか?
それを知っていればHIV感染症の早期発見につながります。
私が甥っ子の陽介に調べたことを教えますので、あなたもいっしょに聞いて下さい。
管理人注記:このページの最後の補足記事に、HIV感染に関連する皮膚疾患について詳しい13本の記事を用意してあります。
更に興味のあるあなたはそちらの記事もどうぞお読みください。
(甥っ子陽介)おじさん、HIV感染症と皮膚疾患って、何か関係があるんですか? |
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(私)陽介、それは大ありだよ。HIVに感染した人の90%に皮膚疾患が出ると言われてるんだ。 |
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1.HIV感染症に多い皮膚疾患
(陽介)えー!感染者の90%もですか。HIV感染に対してそんなイメージもっていなかったです。
(私)そうだろう。実は私もそうなんだ。でもね、「Visual Dermatology」(秀潤社)という医療冊子の「HIV感染に伴う皮膚疾患」という特集記事にそう書いてあったよ。
また、これ以外の本や医療サイトでもHIV感染に伴う皮膚疾患の記事は大変多い。
(陽介)ふーん、そうなんですか。でも、HIVに感染するといったいどんな皮膚疾患が出るんですか?
(私)それがまた種類が多いんだよ。しかもHIV感染特有の症状と言う訳でもない。だから余計にややこしいんだ。
(陽介)あちゃー!それって急性HIV感染症の頭痛や下痢とおんなじですね。
HIVに感染すると出てくる症状だけど、他の病気や体調不良でも出てくるから症状だけで判断出来ないってヤツですね。
(私)まさにその通りだね。HIV感染に伴う皮膚疾患はざっとこんな感じかな。
1.急性期皮疹
HIVに感染した初期に現れる。5mmから10mmくらいの赤い盛り上がった丘疹が体中に出る。放置しておけば1、2週間で消える。発熱を伴うことも多い。
2.帯状疱疹(たいじょうほうしん)
免疫力低下に伴い、体内にいたヘルペスウイルスが暴れ出して発症する。赤い発疹が出て水ぶくれになる。
3.単純ヘルペス
これも免疫力低下に伴うヘルペスウイルスの活動で発症する。小さな水ぶくれがいくつも集まって発症する。
4.脂漏性皮膚炎
頭、顔、胸や背中など、いろんなところにかゆみを伴う赤い発疹が出る。
5.口腔内カンジダ症
口の中に白いこけのようなものが出来る。のどや食道に発症することもある。
他にもまだまだあるよ。⇒補足資料①
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2.皮膚疾患からHIV感染を疑う
(陽介)うへー、HIV感染症の皮膚疾患っていろいろあるんですね。知りませんでした。
(私)さっきも言ったけど、どの皮膚疾患もHIV感染症に特有な症状じゃない。
HIVに感染してなくても普通に発症する。特別に珍しい病気とは言えないね。
事実、私も帯状疱疹や脂漏性皮膚炎を経験してるしね。
(陽介)そうなんですか!
でも、そんなに珍しい病気でもないとすれば、僕はいったいどう考えればいいんですか?
何を注意すればいいでしょうか。
(私)そうだね。まず、自分の体に何らかの皮膚疾患が現れたら普通の人はびっくりするよね。
(陽介)はい。いきなり体中に赤い発疹なんて出てきたらショックです。
(私)陽介だったらどうする?
(陽介)すぐに皮膚科の病院に行きます。
(私)そうだろうね。それが普通だ。いきなりHIV感染を疑う人は少ないだろう。
(陽介)そうだと思います。僕だってHIV感染を真っ先に疑うことはないと思います。
(私)そうだね。そして、それは皮膚科の医師も同じだよ。
自分の患者がHIVに感染しているかも知れないと気を配る医者は少ない。
町の皮膚科にHIV感染者が現れることって、そうそうないからね。
(陽介)それは確かにそうですね。でも、そこで皮膚科の医師がHIV感染の可能性も疑ってHIV検査をしてくれたら、早期発見が出来ますね。
(私)その通り!まさに陽介の言う通りだよ!
冒頭に紹介した、「Visual Dermatology」の中でもエイズ医療の専門医が皮膚科の医師に対して早期発見の役目を担って欲しいと記事を書いてる。
(陽介)でもおじさんもさっき言ったけど、これらの皮膚疾患ってHIVに感染したから発症したとは限らないんでしょう?
(私)そう。限らない。HIV感染以外にも普通に発症するね。だから症状からHIV感染を判断することは出来ない。
(陽介)だったら、皮膚科の先生も患者さんに対してHIV検査の話を切り出すのが難しいんじゃないですか?
やっぱりHIV検査ってデリケートな部分があるじゃないですか。
(私)いいこと言うね。その通りだよ。
それが皮膚科でHIV感染が見つかりにくい原因の1つになってるかも知れない。
(陽介)医者も言いにくいでしょうけど、患者から医師にHIV検査してくださいって、それも言いにくいですね。
それより前に患者も自分がHIVに感染してるかもって、疑わないです。
(私)確かに陽介の言う通りだよ。結局、HIV感染に伴う皮膚疾患とは急性HIV感染症の頭痛や発熱と同じだよ。
必要以上に怖がることもないし、かといって全く無視するのも危険だ。
(陽介)はい。自分でHIV感染の可能性に心当たりがあって、なおかつそうした皮膚疾患が現れたらHIV検査を受けるってことですね。
(私)そうだね。もっと言えば皮膚疾患が出なくてもHIV感染に心当たりがあれば早くHIV検査を受けて欲しいね。
(陽介)それはそうでしょうけど、皮膚疾患がきっかけにはなりますね。
(私)そうだね。これまでに何回も言ってきたけど早期のHIV検査こそエイズ発症を防ぐ決め手だからね。
(陽介)はい。HIV感染に皮膚疾患が多いこと、必ずしも皮膚科の医師がHIV感染まで配慮する訳ではないこと、よく分かりました。
(私)よしよし!では最後に今回の話をまとめておこう。
●HIVに感染した人の90%には、何らかの皮膚疾患が現れる。
●ただし、それらの皮膚疾患はHIV感染特有のものではなく、HIVに感染しなくても発症する。
●皮膚疾患を皮膚科で診てもらっても、医師がHIVまで考慮してくれるとは限らない。
●自分でHIV感染の不安が少しでもあれば、自分の判断でHIV検査を受ける。
以上のように、もしも何らかの皮膚疾患からHIV感染の不安を感じたら医師に相談するか、自分の判断でHIV検査を受けることだ。
「いきなりエイズ」を防ぐことが出来るからね。
何しろ日本では新規にHIV感染が見つかった人の約30%はすでにエイズを発症している。
エイズ発症前にHIV検査で感染が分かっていれば、薬でエイズを防げるからね。
ぜひ皮膚疾患をHIV検査のきっかけとして考えてもらいたいね。
(陽介)おじさん、よく分かりました。
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補足資料
姉妹サイト「HIV感染症の症状完全ガイド」にHIV感染に伴う皮膚疾患の記事がまとめて13本用意してあります。ぜひお読みください。