HIVというウイルスの寿命について考えてみたいと思います。HIVは得たいの知れない怖いウイルスですが、コイツにも弱点はあるのでしょうか?

(甥っ子陽介)おじさん、HIVって寿命はあるんですか?それとも不死身ですか? (私)陽介、それはとっても微妙な質問だね。そもそもHIVは生物じゃないという説もあるんだよ。
陽介 私

 

(陽介)えー!HIVが生物じゃないって、どういうことですか?生物じゃなきゃ、いったい何ですか?

(私)HIVに限らずウイルスは生物ではないとする説があるんだよ。

(陽介)ウイルスは生物ではない?なぜですか?

(私)それはね、生物が生物たるゆえん、すなわち生物と言える条件を満たしていないからだよ。

(陽介)それじゃ生物だと言える条件って、何ですか?

(私)うん、それはね色んな説があるけどおじさんが調べた限りではこんな条件だよ。

1.生命の最小単位である細胞を持っている。

2.外部から栄養分を取り込みエネルギーに変える。代謝機能を持っている。

3.子孫を残す増殖機能がある。

この3つは生物に共通する条件だね。ところがHIVを始めとするウイルスには1番、2番の条件が当てはまらない。ウイルスは細胞がなく、タンパク質の殻の中にDNAかRNAのどちらかの遺伝子(核酸)が入ってるだけなんだ。そして代謝機能がない。

陽介がイメージする生物って、どんなものだ?

(陽介)そうですね。動物だったら何かを食べるし、呼吸もするし・・・植物だったら太陽の光で光合成し、根から水分や栄養分を吸い上げて成長する・・そんなイメージですね。

(私)そうだね。それが「生きてる」ってことだよね。ところがウイルスは代謝機能がないので、食べたり呼吸したりなんてしない。そう言う意味では「生きてる」とは言えないね。単なる構造物ってイメージに近い。

(陽介)うーん・・でも、おじさんが上げた生物であるための3つ目の条件、増殖機能はあるんでしょう?

(私)そうそう、そこがウイルスの微妙なところなんだよ。ウイルスは確かに自分のコピーを作って増殖する。ただ、自分の力だけでは増殖出来ない。宿主となる細胞に入り込んで、その細胞の増殖機能を利用して自分のコピーを作るんだ。

(陽介)自分だけでは増殖出来ないんですね。でも、結果的に自分のコピーを作るんだからやっぱり生物なんじゃないですか?生物以外に自分のコピーを作るものってないと思うんですけど。

(私)確かにそうとも言える。だからウイルスは微妙な位置に存在するんだよ。まぁ、ウイルスが生物か生物でないかは専門家に任せるとして、ここで覚えておいて欲しいのは少なくとも一般的な生物ではないということだよ。

(陽介)分かりました。ウイルスはそもそも「生きてる」状態がないってことですね。

(私)そうだよ。普通の生物の「生きてる」状態がない。あるのは他の生物の細胞内に入り込んで自分のコピーを作る状態だけだ。この状態を「活性状態」と言い、その反対が「不活性状態」だ。

(陽介)はは~ん。そもそも「生きてる」状態がないから、「死ぬ」こともないんですね。

(私)その通り。あるのは活性化した状態か、不活性化した状態か、そのどちらか一方だよ。HIVが人間の細胞内にいるときは活性状態だね。

(陽介)それじゃ、HIVはどんなときに不活性状態になるんですか?

(私)元々生きてる訳じゃないから死ぬことはないんだけど、「壊れる」ことはあるんだよ。HIVが壊れた状態が不活性化した状態と言えるかな。

(陽介)ふーん・・・死ぬんじゃなくて、壊れる、ですか。

(私)そうだよ。例えば熱を加えるとか、空気中にさらすとか、消毒液に浸けるとかすると不活性化してしまうんだ。

(陽介)へぇ~そうなんですか。それって、どのくらいの時間で死ぬんですか?いや、不活性化するんですか?

(私)うん。色々と調べてみたら、ある医療サイトにこんなデータがあったよ。

●空気中・・・5分

●煮沸する・・・10分

●家庭用漂白剤(10倍に薄める)・・・30分

●消毒用エタノール(70%)・・・5分

●イソプロピルアルコール50%・・・5分

●クレゾール(0.5%)・・・30分

●オキシドール(3%)・・・10分

(陽介)えー!何だか思ってたより時間がかかるんですね。煮沸10分って、すごくないですか?イメージとしては30秒とか1分とかで死んじゃう気がするんですけど。

(私)確かにね。でも10分らしい。データの信ぴょう性については検証方法などハッキリとはしないけどね。

(陽介)空気中5分って、この空気中って意味はどんな状態なんですか?

(私)うん、これはねHIVが単独で空気中に放置された場合だよ。でも普通は血液などの体液中にいるから単独で空気中に出てくることはあり得ないね。

(陽介)そうですね。それじゃHIVを含んだ血液や体液が空気中にあっても5分と言わずもっと長時間HIVは活性状態にある訳ですね。

(私)その通りだよ。その場合の不活性化するまでの時間データは見つからなかったけど、5分、10分てことはないだろうね。薬物常用者が注射器の回し打ちでHIVに感染するのも、針に付着した血液からだ。

(陽介)でも、今教えてもらった不活性化するまでの時間って、要するにどれも体外の場合ですよね。体内にいるHIVに加熱したり消毒したり出来ませんから。

(私)その通りだよ。

(陽介)それじゃおじさん、体内にいるHIVの寿命はどうなんですか?寿命って表現は当たらないかも知れませんが、活性状態はどのくらい続くんですか?

(私)うーん、それはとても重要な質問だね。体内のHIVはどのくらい生きているのか?正確には活性状態にあるのか?それはね、おじさんが調べたところ宿主細胞の寿命と同じなんだよ。

(陽介)え?どういうことですか?感染して取り付いた宿主細胞が死ぬとき、HIVもいっしょに死ぬってことですか?

(私)そうだよ。前にも言ったけど死ぬという表現は適当でないかも知れない。要するにHIVは自分だけではコピーを作れず、宿主細胞の増殖機能を利用するんだ。だから宿主細胞が死んでしまえば自分では何もできず、不活性状態となってしまう。

(陽介)なるほど。では、宿主細胞はどんなときに死ぬんですか?HIVに破壊されて死ぬんですか?

(私)そう、HIVが増殖するときには宿主細胞は破壊されて死んでしまう。でも、宿主細胞はHIVに破壊される前に死ぬことがあるんだ。それは宿主細胞がHIVに感染されたことを感知して自分で自分を殺してしまうんだよ。一種の防御反応だね。

すると人間の免疫機能はこの死んだ宿主細胞を異物とみなして攻撃し、排除してしまう。HIVは自分のコピーを作れず、宿主細胞といっしょに免疫細胞に排除されてしまうんだ。

この働きはがん細胞なども同じだね。実は人間の体内では毎日のようにがん細胞の元が生まれているんだよ。それを免疫機能が退治してくれるから大きながん細胞にならずに済んでる。

(陽介)へぇ~!人間の免疫機能はすごいんですね!

(私)そうだよ。逆に言えば免疫機能を失えばいろんな病気になってしまう。だからHIVは怖いウイルスなんだ。

(陽介)でもおじさん、宿主細胞が死ぬとHIVもいっしょに死ぬことは分かったけど、もしも宿主細胞が死なずにいたらHIVもずっとそのまま生きてるってことですか?

(私)そうだよ。HIVが感染する細胞にはその細胞自体が短い寿命のものと、長い寿命のものがあるんだ。どちらにしても細胞内でHIVが増殖すれば宿主細胞は死んでしまう。

でも、中には細胞に感染してもすぐには増殖しないHIVがいる。そしてその宿主細胞が長寿命だったら、HIVはその細胞中にいてずっと活性状態を保っているんだ。

(陽介)うーん、そんなことがあるんですか。その長寿命って、いったいどのくらいですか?1年とか2年ですか?

(私)いやいや。おじさんが調べたところ、メモリーT細胞という細胞なんて数十年も生きてるそうだよ。

(陽介)えー!そんなに長生きするんですか!それじゃメモリーT細胞の中に隠れたHIVも数十年生きてるってことですか?

(私)そういうことだよ。だからHIV感染症は完治できないんだ。ただ、理屈上ではこうした長生きする細胞が死ぬまでを計算すると、HIVは73.4年で完治できるらしい。⇒補足資料①

(陽介)73.4年!それって、完治しないってことと同じですね。

(私)残念ながらそういうことだね。

(陽介)とにかくHIVは自分で死ぬことはないんですね。宿主細胞の中にいて、宿主が生きてる限りは自分も生きてるんですね。

(私)そうだね。生きてるっていうか、活性状態にあるんだ。そして何年も経ってから何かの刺激、タイミングで増殖を始めることもある。

(陽介)では、HIVの寿命とは、体内にあっては宿主細胞の寿命とイコールであり、場合によっては数十年に及ぶ。ただし体外に出てしまえば短時間で不活性化してしまう、ということですね。

(私)そういうことだ。ただし、体外にあっても例えば輸血用の血液中みたいにきちんと保管された状態ではHIVは活性状態を保っている。血液が乾燥してしまえば不活性化するけどね。

(陽介)なるほどです。寿命って表現は適切でないかも分かりませんが、とにかくHIVの正体がまた1つ分かりました。

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補足資料

①「HIV感染症は何年で完治できる?」(HIV感染症の症状完全ガイド)