日本ではHIV感染者は増加傾向にあります。よく耳にするのは、「先進国では日本だけ」というフレーズです。では、なぜ日本ではHIV感染者が増え続けているのでしょうか?

(甥っ子陽介)おじさん、なぜ日本ではHIV感染者が増え続けるんでしょうか?
困った顔の陽介
(私)陽介、それは難しい問題だよ。
困った私

(陽介)おじさん、日本ではHIV感染者は増加し続けているんでしょう?しかも先進国では日本だけが増えているんでしょう?

(私)うん。確かにそう言われているね。

(陽介)それって、なぜなんでしょうか?

(私)私が調べてみたら、たいてい出てくるのがこんな理由だね。

1.HIV感染症やエイズに対する無関心化

HIV検査を受ける人が減っていることからも推測されるように、HIVやエイズに対する社会全般の関心が低下している。そのためHIV感染も他人事、自分のリスク管理として感染予防に注意している人が減っている。(保健所などの公的HIV検査は2008年をピークに受検数が下げ止まったままになっている。)

2.性行為の低年齢化

性行為の開始年齢が低年齢化しており、十分な感染予防知識もないまま性行為で感染している。

3.HIV感染のハイリスクグループへの感染予防啓蒙活動が不十分

日本においては男性同士の性的接触によるHIV感染が多い。他国のような薬物常用者による注射器の回し打ちや売血による感染はない。(注射器回し打ちは年間に数件程度)

(陽介)実際にその3つの理由でHIV感染者が増えているんですか?

(私)おじさんがちょっとデータを調べてみたんだよ。厚生労働省の下にエイズ動向委員会という組織があって、ここが国内のHIV感染者、エイズ患者の細かい動向を調べて結果を公表しているんだ。

それで、2002年から2011年までの10年間において、次の3つの数字を調べてみた。

1.新規HIV感染者と新規エイズ患者の合計人数

2.1の中で、20歳未満の人数

3.1の中で、男性同士の性的接触を感染ルートとする人数

つまり、先程HIV感染が増えている理由として上げられた性行為の低年齢化と男性同士の性的接触感染ルートの実態を調べてみたんだ。

それがこのグラフだよ。

HIV感染者増加分析

エイズ動向委員会発表資料からグラフ作成

このグラフを見ると一目瞭然だね。

(陽介)うーん。20歳未満のHIV感染者って、あまり増えていないんですね。

(私)そうなんだ。2002年が10人、2011年が18人だよ。これをHIV感染者全体における割合で見ると、

●2002年⇒ 1.1%

●2011年⇒ 1.2%

となっていて、ほとんど増えていない。だから言われているほど低年齢層にHIV感染者が増加している訳じゃない。

管理人注記(2015年9月10日):この記事作成は2012年でした。その後、2013年、2014年と20代のHIV感染者が増えています。詳しくはこちらの記事をご覧下さい。⇒20代に増えるHIV感染者』

(陽介)ホントですね。じゃ、ハイリスクグループはどうなんですか?

(私)問題はそこだよ。男性同士の性的接触が感染ルートでHIVに感染した人の割合はこうなっている。

●2002年⇒44.8%

●2011年⇒64.4%

(陽介)うーん、HIV感染者全体の割合で見ると1.4倍以上に増えていますね。

(私)そうなんだ。だから若年層にHIV感染予防を訴えるのも大事だけど、それよりも男性同士の性的接触による感染を減らす取り組みに力を入れないと今後ますますHIV感染者が増える危険があるね。⇒補足資料①

もちろん専門家もそれは当然考えているけどね。例えばエイズ動向委員会の岩本委員長は2011年の動向報告書の中で、MSM(男性間で性行為を行う者)に対するHIV検査や相談の利便性向上が必要だと述べている。⇒補足資料②

ただMSMのHIV感染予防については社会の中でMSMに対する偏見や差別をなくす活動もいっしょに進めないと成果は出ないだろうと言われている。

(陽介)他には日本でHIV感染が増えている理由はもうないんですか?

(私)そうだね。日本におけるHIV感染予防の性教育も課題とされているね。先程のデータで、20歳未満のHIV感染者はそれほど多くはない。でも、学校時代にしっかりした性教育でHIV感染予防を教えないと大人になってからHIVに感染してしまう。

例えばコンドームの正しい使い方や必要性なんかをしっかり教えることが大事だね。それが日本の教育現場だと「やり過ぎ」とか、「性行為をあおる教育」とか言われて反対されるケースも多いらしい。

(陽介)それではこの先日本ではHIV感染者はまだ増えるんですか?それとも減っていくんですか?

(私)そうだね。少なくとも今の段階でHIV感染者が減っていくと断言した記事は見たことがないね。エイズ動向委員会や厚生労働省のエイズ関連ホームページなどでも引き続き感染拡大への警戒が必要だとしている。⇒補足資料③

(陽介)それにはやっぱり社会全体がHIVやエイズに対する関心をもっと高めて、自分の問題として感じていかないとダメですね。

(私)その通りだよ。HIV感染が他人事だと思っている人が多い間はHIV感染者が減ることないとおじさんは思うね。

(陽介)よく分かりました。

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補足資料

①なぜ男性にHIV感染者が多いか?(HIV検査完全ガイド)

②エイズ動向委員会 委員長コメント

③厚生労働省の現状認識(例)
世界エイズデー(12月1日)を向かえるにあたって